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【学生起業家インタビュー】童心を忘れずカードゲームを事業にする、SynapStudio代表の最所さんにインタビュー

今回は幼少期の頃から好きだったカードゲームを自身で作り事業化に挑むSynapStudio代表の最所さんにインタビューしました!

幼少期の頃から好きだったものを事業という形にしている方なので、

・自分の好きなことで起業したい
・エンタメ系の事業に興味がある!

という方はぜひ読んでみてください!

プロフィール
2004年生まれ
iU中退 駒澤大学仏教学部1年生
小1から作り続けてきたカードゲームやボードゲームのノウハウを活かし、
ゲーム創作団体SynapStudioを運営

目次

いつから起業をしようと思っていたのか

わかんないですね(笑)
流れでこうなったので。

活動自体は大学に入る前からやっていて、大学受験をAO入試にするくだりで、自分の活動が明文化されました。
その活動自体は、高校生の時からやってはいましたが、それは起業に関することというわけでは特にはなかったです。

今も活動内容は全く変わっていないのですが、補助金とか賞金とかをいただくために法人があった方がいいと思う機会が増えてきたので、登記しました。

最所さんが取り組む今の事業とは?

今メインでやっているのはカードゲームの制作です。

多分、カードゲームが好きな男子なら誰でもやると思うんですけど、学校で自由帳にオリジナルのカードを考えて切り取るみたいなことを小学校1年生から大学生まで続けていった人間が私でした(笑)

そのようにして毎日のようにカードを作っていたのですが、私が中学生の時に、コロナのせいでみんなで集まって遊べなくなったので、じゃあデジタル化しようということで、それまで紙に描いていたカードをデジタルに移行しました。

そのタイミングで「デジタルになったし、イラスト凝りたいよね」と思って、デュエル・マスターズなどのカードを描いているイラストレーターさんたちに片っ端からDMを送って、描いていただいたりしながら拡大していったら、いろんなビジコンやアクセラに選んでいただいて、「じゃあこれ売り出していくか」という流れで、今カードゲームを作る会社をやっています。

また、「企業のワークショップや研修に学習ボードゲームって組み込めないの?」ということで、委託されてゲームを作るようなお仕事をしたり、あとはギフテット傾向と呼ばれる協調性が少し欠ける子供たちにゲームが好きな子が多くて、そういった子たちは論理的に考えることが得意な傾向にあるので、ゲームを通じて苦手意識を軽減しながら、好きなことで得意なところを伸ばすためのボードゲーム塾みたいなものを構想して動いていたりしています。

実は僕は高校生になるまでちゃんとした製品で遊んだことがないんです。
家がお受験家庭だったので、カードゲームなんてものを触らせてくれなかったし、買ってもくれませんでした。

ただ、偶然2枚ほどカードを持っていて、 それを見たら「僕でも作れそうだな」と思ったので、ルールを勝手に妄想しながらカードを何枚も作っていました。

そうしたら学校の校則とマッチしまして(笑)
当たり前ですが、学校に市販のカードゲームを持ち込むのはルール的にアウトじゃないですか。

ただ、僕が作るカードは規制できないので、友達も「じゃあ最所の作ったカードで遊ぶわ」となって学校に僕のカードゲームのファンがめちゃくちゃできました(笑)

14年もやってるので、だいぶ独自路線を走ってる感じはあります。

ルールの独特性を話すと、普通のカードゲームは、バトルに勝利したカードって基本的にフィールドに残るのですが、私の考えているカードゲームの場合は、そのカードが場に残らないので盤面が変わります。

これは私が市販のカードゲームに触れていなかった時にポーカーとかババ抜きしか知らなかったので、戦う札はマイターン変わるものだろうと勝手に考えていたからこうなったのだと思います。

UNOとポーカーとポケモンカードを足して割ったみたいな感じになっていまして、毎ターン戦況が自動的に切り替わるのが面白さになっています。

なので駆け引きだったり逆転要素がどんどん増えていって、気が抜けないし、暇するタイミングがないというポイントがすごく面白いという声をよく聞きます。

そうですね、なかなか難しいところはありますね。

ただ、14年もやっていると、なんとなくゲームバランスの保ち方はわかってきますし、自分が作ったカードは大概記憶に残ってるものなので、簡単に崩壊することはないです。

たまに失敗する時もありますが、それはゲームがゲームとして形を保たなくなる前に、ルールの側で調整することはできるので意外と自由に作っています。

作ったカードをどう売っていくか

ウェブ通販とゲームマーケットみたいなポップアップ型で売っていこうって思っています。

ショップ展開はもうすでにレッドオーシャン化していて、 店頭に置いてもらうってこと考えるとコストがかかりすぎるので、当面はネット通販をメインにしようと思っています。

トレーディングカードゲームの販売は構築済みデッキと拡張パックの2種類を出すのが一般的なのですが、最初は構築済みデッキの販売がメインになるかなと思います。

ただ、やはりトレーディングカードゲームはデッキのカードのトレードにこそ価値があると思っているので、拡張パックも出したいと思っています。

とはいえ、拡張パックで出すとすごくコストがかかってしまうので、普通の拡張パックのような販売の仕方ではなく、特定の塊みたいな構築済みデッキよりも枚数が入っているボックスをランダムでいくつか出そうと思っています。

拡張パックのようなランダム販売という形は捨てたくないですが、小売でパラパラと売るよりも、ドカっとランダムで売りたいと思っています。

一番大きかったのはMakersというコミュニティの存在だと思います。

そのコミュニティで知り合った友達のグループにエンジニアとして入っていた時期があり、その時に参加したビジコンでピッチをするにあたって経営の知識が必要だったので、そこで学んだ知識を今の自分のカードゲーム事業に持って帰ってきて考えています。

そこから片っ端からビジコンに自分の事業を出していたら、東京スタートアップゲートウェイという東京都がやってるビジコンでセミファイナリストになり、そのおかげでアクセラレーターがついてくれたんです。

 そのアクセラレーターに参加すると、結構周りの人たちがアドバイスをくれたり応援してくれたりするので、そこからも色々と知識を吸収していきました。

カード制作に関しては、今のチームの中にとあるトレーディングカードゲームのイラストを描かれてた方がいらっしゃるので、その方に「どうやって作ってるの?」といった話をお聞きしながら知識を身につけていきました。

事業を進めるにあたって意識していることとは

2つあって、1つ目はゲームの本質的なところに戻って、逆算的にゲームを作るということを心がけています。

ゲームクリエイターが衝突する壁としてあるのが「ゲームとは何か」という問いなんです。

私は「ゲームとは制限である」と思っています。

例えば、普通にじゃんけんを10回するのってあまり面白くないんですけど、その10回の中で指を18本しか出しちゃいけないという制限をした瞬間にすごい面白くなると思うんです。

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ボードゲームバーボーダレス
18-イチハチ- じゃんけんに駆け引きの要素を足したボードゲーム こんにちは!本日は、2人で遊べるボードゲーム 18-イチハチ- を紹介します!18-イチハチ-はダイソーから販売されており、お値段も手頃で手に入りやすいボードゲームだと...

このように試合中に「これ以外をしてはいけないよ」って縛ることが私はゲームだと思っていて、この縛り方によって面白くなったり、つまらなくなったりするんです。

私はカードゲームをメインで作ってますが、ゲームというものはもっと自由であるべきだと思っています。

もう1つ気にかけてるのは、「童心忘るべからず」ってやつです(笑) 

事業をするとなると、ついマネタイズに走っちゃいそうになるんですけど、昔からやってきたことを絶対に忘れないようにして頑張っています。

一緒に事業を作ってるメンバーは何名かいます。

この人たちは、私が小学校の時に自由帳でカードを作っていた時からの僕のカードゲームのファンで、その人たちがいまだに一緒にいてくれています。なのでもう10年ぐらいの付き合いになります。

あとは、コロナがあって自分のカードゲームをデジタル化した時に、Twitterなどから存在を知って遊びに来てくれた人たちで、ファンになってくれた人たちもいます。

元々は100人ぐらいのコミュニティを運営してたんですけど、今は開発メンバーだけに絞ろうと思って、5人ほどで動かしてます。

基本的に私がゼロイチを作って、それを見て修正をした上でちゃんと形に整備する人、デザイン面の担当、ディレクション担当、経理などのバックオフィスの担当、そして細かい社内ツールを作るエンジニアです。

あまり役職みたいなものを考えたことないんですけど、それぞれの得意分野が活かせる仕事を振っていたら自然と役割が決まってました。

最所さんの今のビジョンとは?

子供の頃の私にとってのデュエル・マスターズだとか遊戯王だったものが、私のカードゲームに変わったらいいなと思います。

そして、次の世代の小学生で私の作ったカードゲームを買ってもらえないから、自分で想像してカードを作って、さらに次のカードを作るみたいな世代交代ができたら嬉しいとも思ってるので、そのための知名度と人気を集めたいです。

もう1つは見返してやりたいと言う気持ちを持っています。

私が通っていた中学と高校が進学校だったので、学校の先生から目の前で生産性がないと言われて自分の作ったカードを破かれたりしたんです。

そのほかにも没収されたりとか、「最所が作るカードゲームはやっちゃダメ」みたいな張り紙がされたり、校則で禁止されたりもしたんです。

なので、あの時馬鹿にしてた奴らを全員見返してやろうとも思っているので、そのために今の勢いで事業を進めていきたいと思っています。

高校2、3年生の時にメンタルを病み散らかしました。

すごく落ち込んでいて、人間関係もだいぶズタボロになって、人間不信を抱いたことがあります。

それがこれまでで1番きつかったとこかなとは思ってますね。

どれだけメンタルを崩してた時でも、どんなにしんどかろうがカードだけは作ってたんです。
1日1枚何かを絶対作ってたので、「戻った」というよりも「止まらなかった」が正しいのかなと。

本当にカードを作っていない日の記憶が思い浮かばないんですよね。これまで遡って。

その時に作っていたゲームをファンの方がネットなどで集まって、コミュニティでずっと遊んでたくださっていたので、私もコミュニケーション能力を奪われずに人と関わり続けられていました。

なので、現実世界に明るく帰ってこれた理由は、そういったゲームを通してなんだかんだ周りの人間関係が良くなったからかなとは思っています。

最後に読者にアドバイス

逃げられないぞっていうのを1つだけ言っときます。 

苦手なことから逃げて、言い訳しててもどうしようもねえぞっていうのを最近ずっと自分でも思っていますし、人にも思っています。

私は当時、学校で全く勉強せずにカードゲームを作っていて、模試でも偏差値16.5とかいう日があったのですが、「こういうゲームを作りたい!」って突き詰めてた時に仏教の勉強しないといけないと思い直して、勉強し直して大学に合格しました。

私は高校時代の時、漢文がとても苦手だったんですけど、仏教系の大学に入ったので、漢文の勉強を死ぬほどさせられるんです。

高校の時はあんだけ苦手で偏差値16とか取ったのに、周り回って、漢文の勉強をしてるよ!みたいな(笑)

なんだかんだ逃げてても、いずれ必要となる時が来るんだなって最近ずっと思っています。


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この記事を書いた人

吉原のアバター 吉原 Bizdev Journal編集長

「起業家を支える最強のNo.2」になるべく、同世代の起業家の成長が加速するような活動をしています。
過去にもいろいろやっているので、気になる方は各種SNSから連絡ください。

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