Bizdev Journal運営メンバー募集中! 気になる人はお問い合わせまで!

【学生起業家インタビュー】片手だけで過ごせる世界を創る。「かたてんてラボ」を手がける高校生、原さんにインタビュー

片手だけで過ごせる世界を創る。「かたてんてラボ」を手がける高校生、原さんにインタビュー

今回は片手だけで過ごせる世界を創るために、デザイン性のある自助具を創る原さんにインタビューしました!

ネットサービスなどのデジタルでの起業が増えている中で、自身の経験をもとに、自助具という目に見えるプロダクトを作っている方なので、

・目に見えるプロダクトの制作に興味がある
・身近に解決したい課題がある

という方はぜひ読んでみてください!

プロフィール
2006年(平成18年) 生まれ 岡山県立岡山操山高等学校2年生
右手の中指を骨折した経験から、誰にしも片手生活になるということを知り、
今の自助具からより汎用性とかわいさを追求し
「生き甲斐の溢れる片手生活」と「片手だけで過ごせる世界」を創るために活動中。

目次

起業を決めたのはインタビューのたった1ヶ月前!

実は興味を持ち始めたのは今年の2月くらいなので、まだ1ヶ月くらいしか経っていないんです
※インタビューを行ったのは2024年3月

それなのに、このインタビューを受ける前日にも大学生が参加するようなピッチコンテストに出ていたりしてます。

起業を志してから、すぐに学生団体に所属をしたんですけど、そこでも「ここに来て1ヶ月なのにピッチコンテスト出るの!?」みたいな反応をされています(笑)

自助具というものをもっと知ってほしいと思ったのがきっかけです。

私は中学3年生の頃から自助具というものに興味があって開発とか研究をしていました。

自助具とは、障害や病気などによる麻痺、加齢による身体機能の低下を原因とする動作の困難を補うための道具や装置のことなのですが、この自助具をみんなに知ってもらって使ってもらうにはどういう方法があるだろうと思って色々調べた時に「買ってもらわないといけない」ということに気づいて、起業をしようと考えました。

中学3年から今までは学会などに参加していたので起業というよりは研究を主にしていました。

起業の決め手になった自助具との出会いとは?

2つきっかけがあって、1つ目は私のお世話になった先生の子供が片手麻痺を患っていたことです。

もともと私がロボットやものづくりに興味があって、その分野で有名なマッドサイエンティスト先生に「なにかいいアイデアないですか?」と聞いたんです。

そしたら、その先生の息子が片手麻痺を患い、ゲームや書くことが満足にできないということで「どうにかならない?」という風に問われて、「どうしたらいいんだろう?」と考えていました。

それまで、先生の息子さんみたいに片手麻痺の方にあったことはなかったので、「片手しか使えない人はゲームってどうやってやっているんだろう?」などを考えて、その解決策を調べているうちに自助具に興味を持ちました。

それから、その先生に「3Dプリンターで色々作ってみない?」と言われて片手ゲームコントローラーのデザインをし始めました。

もう1つのきっかけは、自分が1年前に手の中指を骨折して片手生活を経験したことです。

いざ自分が片手生活をすることになって「あれ?案外自分でも片手生活になり得るんだな」と思ったんです。

いわゆる障がい者の方であったりとかお年寄りの方でなくとも、誰でも突然片手生活になることということに気づいて、既存の若者向けの自助具を改良する必要があると思って今の研究をしています。

原さんが手がける「かたてんてラボ」の自助具とは?

「かたてんて」というキャラクターを用いた可愛い自助具を「かたてんてラボ」としていくつも作っています。

▼原さんの手がける「かたてんてラボ」の紹介記事はこちら

あわせて読みたい
〜片手だけで過ごせる世界へ〜高校2年生が自助具を作る「かたてんてラボ」を紹介 かたてんてラボは、高校二年生の原 深唯(はら みゆい)さんがリーダーを務める、オーダーメイドの自助具「かたてんて」制作サービスです。「一人ひとり個性が違えば自...

代表的なものでいうと、1つ目は納豆を片手で開けられる自助具です。

納豆って片手が使えなくなるだけでタレも開けられないし、混ぜるのも難しくなるんです。

なので、針でプスッと刺してタレを出したり、納豆を固定して混ぜられるような自助具を開発しています。

2つ目は丸いドアノブを片手でも簡単に回すことができるようにする自助具です。

こちらは友人と作成した自助具で、丸いドアノブは握力が弱い状態だととても開けづらいのと、片手だと静電気がすごくて、老人ホームとかで聞き込みをすると「バチっとするのがイライラする」という声をよく聞くんです。

なので丸いドアノブを下に押すドアノブに変えられて、なおかつ静電気がないようにプラスチックで作った自助具を開発しています。

3つ目は錠剤の薬を片手で開けることのできる自助具です。

こちらはキーホルダーにもなっており、外でもかわいい自助具を便利に使うことができます。

そのほかにもまだまだあるんですけど、代表作はこの3つかなと。

学校に「未来航路」という授業があってそこで今までは作っていました。

ただ、その授業が高校2年生までのものだったので、最近は課外活動として自分の入っている学生団体や老人ホームにヒアリングしたりして作っています。

まさにこのインタビューの1週間後から、老人ホームに自分が作った自助具を2週間ほど置いてもらって、そのレビューをもらうことになっています。

若者も片手生活になりえる。だからこそデザイン性を

今は岡山で活動しているので、まずは地元の介護施設を回って「かたてんて」のオシャレな自助具を広めていきたいと思っています。

なので今は地元の介護施設と連携して、自助具で色々なことを解決できるように動いています。

まずは地元の介護施設に自助具を置いて土台を固めてから日本とか世界中に広めていきたいと思っています。

世界の中では紛争があったりして急に片手生活になることもあるので、ゆくゆくはそういった方にも使っていただきたいと思っています。

自助具を障がい者や介護施設の方だけでなく、若者でも使っていいんだということを広めたかったことがきっかけです。

もともと自助具は福祉用具なので介護の現場でしか使われていないんです。

でも、いざ自分も片手生活を経験をした時に、若者でも実際に同じ経験をしたことがある人はいると感じました。

ただ、既存の自助具は無機質なんです。介護用具というのが一番の目的なので温かみがないんです。

実際に使っている人の声を聞いても「寂しい」という声があって、リハビリとかで自助具を使っていると自分が老化しているのを感じる人もいらっしゃいました。

それを聞いて「自分が今の自助具を使う身になったら悲しい」という感情が生まれたので、自助具というものをオシャレにしてリハビリを前向きにしたいし、若者でも気軽に困った時には使っていいということを可愛さや温かみを感じるデザイン性を付け足しました。

かたてんてラボ」とともに思い描くビジョンとは?

「片手だけで過ごせる世界」を作りたいと思っています。

今は両手がないとどうしようもない世界だと思っています。

「片手生活でも1日不自由を感じないで余裕で過ごせる」という方はいないと思うので。

不慮の事故であったり、世界に視野を広げたら紛争だってあるので、誰にでも片手になる可能性はあるんです。

でも、今の世界は両手じゃないと生きづらいというこの状況が変だと思うので、私が片手になっても両手と変わらない世界を作りたいと思っています。

自分のアイデアを目に見える形にしないといけないなと思います。

企業や大学に提案するには自分の頭の中に腐る程あるアイデアを形にしないと始まらないので。

そのために今は1日1個くらいのペースで紙粘土などの100均で買えるアイテムで自助具の試作品を作っています。

100均のアイテムで作れるなら、それは誰でも作ろうと思えば作れるものなので汎用性があると思うんです。

そういった意味でもまずは100均のアイテムで作って、それでも無理だったものに関しては3Dプリンターを使ってアイデアを形にしています。

あとは今は1人で動いているので、仲間探しも直近にやらないといけないことだと思っています。

自分はデザインが好きだから宣伝はいくらでもできるんですけど、2Dで図面を作ってそれを大量生産するラインがまだないので、製品化に向けての協力はいただきたいなと思っています。

本当にアイデアは1分に1個思いつくくらいいっぱいあるんです(笑)

でも手が間に合っていないので、アイデアを形にできる人に出会って一緒に自助具を作っていきたいと思っています。

BtoBとかは考えていますが、「オーダーメイド」「レンタル」「ネット販売」の3つで考えています。

オーダーメイドは介護施設向けで、一定期間テスターとして使ってもらって満足してもらえたら研究として論文を作って学会などに出していくものを作っていこうと思っています。

レンタルとネット販売では、サブスクのような形で売っていこうと思います。

例えば「1ヶ月〇〇円」といった形で複数の自助具を借りてもらって、気に入ったらネット販売で実物を買ってもらう形式を取ろうと考えています

あとはイベントで壁打ちした時にいただいたアドバイスなのでアイデアベースですけど、若者向けならガチャガチャみたいなキャッチーな形でもいいかもと思っています。

それこそガチャガチャの市場が急激に伸びているので、自分のビジネスの基盤ができた時にガチャガチャはさらに広めるための選択肢として持っています。

▼ガチャガチャ市場の拡大に関する記事
https://withnews.jp/article/f0230616002qq000000000000000W0fm10801qq000025841A

今は私1人しか動いていないので、介護施設を便利に可愛く変えていくのが一番最初だと思って行動しています。

そのあとに改良して若者や他のお年寄りの方向けにも販売していこうと思っています。

ここまで行動できる理由とは?

自分でアポをしたりチャンスを掴みに行った方が成功しやすいのがわかっているからです。

実際にそれを感じた成功体験があって、学会に行って名刺をもらった人に「ありがとうございます」というメールを送ったんです。そうしたら後日その名刺をいただいたたくさんの方が色々な人に繋げてくれて!

それで人に聞けば聞くほど、自分のやりたいことに向かって進むのを身を以て体験しました。

私は興味を持った時にネットなどで色々調べるんです。

それで1ヶ月前に起業に興味を持った時に調べていたら今所属している学生団体を見つけて「あれ?自分の地元でこんなことしているところがあるんだ」と衝撃を受けたんです。

それから団体が主催しているイベントをきっかけに、その団体の活動しているところに足を運びました。

いきなり高校生が来たので、他の人がすごく驚いていたのは覚えてます(笑)

イベントにふらっと参加したので、実質アポなしですが、一応イベントに参加しているのでこういった形の方が助かります(笑)

それからは色々な話や相談をさせていただいて、おかげさまで「かたてんてラボ」が進んでいます。

最後に読者にアドバイス!

私はまだ起業に向けて動いてから1ヶ月くらいしか経っていませんが、ビジコンとかイベントに参加しまくっているので、行動あるのみだと思います!

外に出ないと会えない人はいっぱいいますし、事業を進めるというのは1人ではできないのでいろんな人に会いに行くべきだと思いますし、これが一番大切だと思います!

やりたいことはやりたいときにやったほうがいいので、起業にかかわらずなんでも動いたもん勝ちです!

▼原さんの手がける「かたてんてラボ」の紹介記事はこちら

あわせて読みたい
〜片手だけで過ごせる世界へ〜高校2年生が自助具を作る「かたてんてラボ」を紹介 かたてんてラボは、高校二年生の原 深唯(はら みゆい)さんがリーダーを務める、オーダーメイドの自助具「かたてんて」制作サービスです。「一人ひとり個性が違えば自...

Bizdev Journalは、学生起業や事業開発に関する有益な情報を発信しているメディアです。

学生起業家へのインタビューからナレッジシェア、学生起業に関するなど、起業に関心のある学生のための有益な情報の発信をしています!
「起業をしたいと考えているが何をしたらいいかわからない」という悩みをお持ちなら、まずはBizdev Journalの記事を読んでみてください。

さらに、Bizdev Journalでは、

・学生起業をしているのでインタビューを受けたい
・学生起業に関する活動の紹介をしてほしい
・一緒にBizdev Journalを運営したい

といった依頼も募集しております。

興味のある方はお問い合わせもしくはX(旧Twitter)のDMよりご連絡ください!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

記事をシェアして学生起業家のつながりを増やそう!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

吉原のアバター 吉原 Bizdev Journal編集長

「起業家を支える最強のNo.2」になるべく、同世代の起業家の成長が加速するような活動をしています。
過去にもいろいろやっているので、気になる方は各種SNSから連絡ください。

目次