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【学生起業家インタビュー】ワンちゃんとその家族の瞳がずっとキラキラと輝き続ける世界を作る。EBE株式会社の吉松さんにインタビュー!

今回はEBE株式会社の代表の吉松さんにインタビューしました!

幼少期からの思いを胸に、ペット業界をより明るいものにするために動いている方なので、

・動物に関する問題を解決したい!
・ソーシャルビジネスに興味がある!

という方はぜひ読んでみてください!

プロフィール
2002年生まれ。関西学院大学4年生。
保護団体での活動を機に、殺処分を無くすためにペット事業を立ち上げ、
2024年7月に、ペットライフに寄り添う会社「EBE株式会社」を設立。

目次

いつから起業をしようと思っていたのか

起業を考え始めたのは1年前ですね。
それまで保護猫のボランティアをずっとやっていたので、自分の中でのやりたいことが動物保護だったんです。

なので、そんなにビジネスをしたいとか、起業したいとかを考えたことはなく、ただ動物のためになることをしたいなと思っていました。

生まれが和歌山県で、すごく田舎だったので、保護という概念すら全然なく、殺処分を減らしたり、動物のためになることがなかなか出来ませんでした。

大学に入るまで色々なことを経験しましたが、入学して保護猫のボランティアサークルを作って、2年間NPOさんと連携させていただいて、施設のお世話だったり、保護猫の譲渡に関することをやってきました。その中で、保護する猫に病気の子が多くて、治療費が寄付で賄えなかったり、手術をしても、その後の治療費が足りないから命を落としてしまうっていうことをすごくたくさん見てきました。

保護団体にお金がなくて、その上医療費にお金がかかるので、どうしても動物たちの食事にかける費用が少なくなってしまうんです。保護された子達は精神状態や健康面で問題を抱えていることが多々あります。犬猫などの動物が抱えるストレスや病気に弱い体を改善するフードを現在自分の工場を準備しながら開発してます。

吉松さんが取り組む今の事業とは

はい。今行ってるのは簡単に言うとドッグフードの製造販売なんですけど、 そもそもドッグフードを作っている方に出会うことって多分ないと思うので、簡単にご説明したいなと思います。

まず、最近流行っている手法として、OEMで受注して、委託して生産する方法があるんですけど、それだとロット数を多く頼まないと生産してくれないんです。

あとは、その使う原料だったりも安いことにこだわってるところが多いので、本当に犬のことを考えたフードってなかなかないんです。

▼参考リンク:OEMとは?基本知識を学ぶ。OEMのメリット、デメリットも解説https://ecnomikata.com/ecnews/19434

保護団体にお金がなくて、そのお金も医療費にかかってしまうので、どうしても動物たちの食事にかける費用が少なくなってしまうんです。

この問題を解決するために、現在自分の工場を準備しており、本当に犬のためになるフードを自社開発してます。

初期の試作品

先ほど話した起業したいと思ったところに繋がるのですが、私はただのフードを作るメーカーになりたいという想いが一番ではなくて、社会の概念を変える、そのための手段が「食」というものが1番最初でした。

今開発している商品の一例だと、食で個体の持つストレスを和らげたり免疫を付けたり、食事から様々な悩みを改善でき、本当に安心して届けられるものを作ろうと決めていたからです。

また、ワンちゃんと一緒に香りのカードで毎日ご飯を選べるというものがあり、飼い主さん目線で「この子にはこのご飯が好きかな?」と決めて選ぶのではなく、人と犬が一緒に楽しめるような食事にしたいなと思っています。

そうです。世の中になかったので作りました。

あと、追加でいうと、ペットフード用の工場として動いているところが実は全然なくて、人間の食品工場で衛星基準だったりヒューマングレードに合わせて委託して作られてるところが多いんです。

しかし、そういったところだと衛生だったりの基準を完璧に満たしてないところが多いみたいで、できないことや不利に働くことが多いんです。

でも、自分たちで衛生基準だったり、あとは建物の配置をしていくことで、ペットフードじゃなくて食品として製造することで、今まではペット棚にしか置けなかったのが冷凍食品のところに置けるといったことが可能になったり、商品の税率がペット用だと雑貨として扱われるので10%なんですけど、人間の食品だと8%になるんです。

そうすると年間トータルで見積もっても1万円弱くらい安くなるので、 これは消費者の方のためになるんじゃないかなと思ったのも自社で開発しようと思った理由の1つです。

工場の予定地

そうですね、2023年の7月頃から犬猫の栄養学を学び始めて、職育士という資格を2024年2月に取りました。

ただ、私の大学は環境系でも農業系でもないんですよ。 そのせいで、動物に関して学べない資格などがあり、仕方ないから色々なところに詳しい方に聞きに行ったりしました。

そのように行動ベースで動いていたら、疑問が出て、それを解決しての繰り返しになり、その結果として今があります。 

どれぐらいだろう… 
1年前からトータル700人ぐらいは会っているのかなと思います。

そうですね(笑)
思ったら勝手に体が動いていたので、あんまり苦じゃなかったっていうのは続けられた要因かなと思います。

あまりイベントなどの大人数の集まる場所には行ってなくて…
最初の頃は行っていたんですけど、ペット業界の方って全然いないんですよ。

なので、「こういうことが知りたいから教えてください」ってお願いして、人に会って、そこから数珠つなぎでまたご紹介いただいて、という形で紹介していただいたら、どこでも会いに行くということを決めて動いていました。

今住んでいるのは大阪で、大学は兵庫に行っているのですが、ペット関連の人がもちろん大阪、兵庫あたりに固まってるわけもないんですよ。

インタビューとかも含めると韓国ですね。

ちょっと違う国の法律とかは勉強してて気になって、とりあえず行けるところに行ってみようと思っていきました(笑)

ドッグフードの販売方法と課題

はい、そうです。物販に当たります。

販売の形式としてはto Bなのか、それともお店に置いてもらうみたいな形なのですか?

直接イベントとかで宣伝するto Cであったり、あとはto Bでいうと、 例えば淡路島の食材を使って、そのホテルの専門ブランドのドックフードを置きたいという委託を受ける形もあったりします。

他にもお店に置いていただけるサロンであったり、セレクトショップなどにお話してるような状態です。

紹介によるものですね。

まだ実際に商品を置いてもらってはないんですけど、こういうお店があるとか、そこのお店に実際に行ってお話をしてだったりですね。

今作ってる製品でこだわってる部分が主に2つあります。

まず1つ目が、腸内環境を良くして、免疫力をつけて老後の病気をそもそも起こらせないようにするための成分を多く含んだフードにしています。先程お話したストレスを軽減する点やアレルギーなども起こりにくくする点を考えて作りました。

もう1つが、ペット業界の闇だなと思うんですけど、豆が使われているフードってめちゃくちゃ多いんですよ。他にもイモだったサツマ芋とかジャガイモとか、あとはエンドウ豆とか。

ただ、これはコストカットのためにそういった食材を使用している側面が大きいので、犬にとってあまり必要ではないんですよね。

コストカットも重要なことなので、理由として分かるんですけど、そういったフードが原因で心臓に脂肪がついて10年後の心臓病が増えてしまうんですよね…

これについてはアメリカでちゃんとした論文が出されているので、私は「なんでそれをみんな見てないんだろう」と思うんです。

そうですね。

私が1つ思うこととしては、批判というわけではないんですけど、日本の獣医学だったり栄養学ってすごく遅れてるのかなと思っています。

私に情報をくれる方が、割とアメリカだったり、ヨーロッパに自分で行かれて、そこで会社を持たれてる方だったりするので、その人たちの話を聞くと、日本の獣医学や栄養学はまだまだ進んでいない部分が大きいなと思ってしまいます。

あともう1つが、ペットフードを作りたいんだっていう人自身が、栄養学を勉強してるかどうかかなと思います。

吉松さんの今のビジョンとは

ビジョンとしては、ワンちゃんとその家族の瞳がずっとキラキラと輝き続ける世界を作ることを掲げています。

その理由としては、ペットを家族として愛してほしいみたいなことを言う人はたくさんいらっしゃるんですよ。

ただ、私自身インタビューしていて、ちょっと疑問が生まれたんですけど、ワンちゃんに対して、大事にしてるならあり得ないって扱いをしてる人もいるなと…
でも、その方に聞くと「家族だよ」って言うんですよ。

家族としては思ってるけど、そこの表現って難しいなと思って。そこでワンちゃんの幸せと人の幸せっていうのが1番表せるなって思ったのが、目がずっとキラキラしてる、心身健康な状態かなって思ったので、このビジョンにしています。

はい!会社名はEBE株式会社で、 英語の頭文字を取っている名前になります。
Eが永遠という意味のEternal、Bが宝石みたいにキラキラ輝く意味のBling、最後のEがEyesです。

先ほどの話と被りますが、ペット業界に1年間関わってみて、私がキラキラしていてほしいと思うものが3つあるんです。

1つ目が自分の家のワンちゃんと猫ちゃんとか、あとは鳥だったり小動物の動物の目がキラキラしててほしい。

2つ目がその家族です。
子育てと同じで、 ペットを飼うってすごく大変なことで、私はペットを飼ってる方全員尊敬しています。
でも、 その人たちは疲れてたり、「フードは何がいいかわからない」、「アレルギーが出るかもしれない」などで落ち込んだりしてる。だからこそ、この状態を解決して、みんなの目がキラキラしててほしいと思っています。

3つ目が、ペット業界の方の目もキラキラしててほしいなと思うんです。

今までにペット業界で、トリマーさんだったりトレーナーさんだったり、関わらせていただくことも多々あったんですけど、トリマーさんや動物病院の看護婦さんだったら、女性が95パーセントを占める業界なので、いじめが多いとか、働き方がブラックみたいなことが多くて…

私は、働き方に新しい風を持ち込んでいって、働く方のみんなの目がキラキラしててほしいなと思っています。

なので会社名に込められている願いとしては、全部トータルするとペット業界の光になりたいというものになります。

メンバーのマネジメントに関して

そうですね。何人か一緒に動いてくださってるんですけど、メインでずっと動いているのは私ともう1人です。

メンバーも全員紹介いただいたんですよ。

最初から今のずっと一緒に動いている方は、同じくペット業界の殺処分をなくしたいというビジョンを持っている方で、会った当日に何時間も話して、その当日に「やりましょう!」って話になりました(笑)

他のメンバーもそうなんですけど、いわゆる大学生とか学生がメンバーにいるっていうよりかは、社会人で、しかも私以外全員会社経営をされてる方になります。

なのでいつも緊張感を持ってやっています。

そうですね。

お金の知識も経営の知識も、どこをとっても私より優秀な方しかいないんですよ。

ただ、動物愛やビジョンに共感してついてきてくださっている部分があるので、私はあまり細かいことは言わず、そこはお任せしています。

でも、全員年上なので、仕事の進みはめちゃくちゃ早いので、プレッシャーは感じますが、何も困ることはないです。

なんなら私の方が逆にマネジメントされていますよ(笑)

でも、私も「なんで私についてきてくれるんですか?」とか「なんで私代表なんですか?」ということをよく聞いたりします。

そうすると「思いだったり、人に伝える力や応援してもらえる力が自分よりもあるから、そこに自分はついていきたいって思ったからあなたが代表なんやで」ってありがちことにいってくださっています!

ここまで動いている中でぶつかった壁とは

私の個人の課題にはなるんですけど、色々と1人でやってしまうところが課題でした。

自分の思いと同じ熱量の人がいなかったので、人に任せられずにメンバーが離れてしまうこともありました。

あとは目標を定めることにもすごく苦労しました。 

それこそ去年の夏に東京に行った時に、メディアなどを運営されている猫の保護を行なっている会社の社長さん紹介していただいてお会いした時に、結構頑張って30分ぐらい喋ったんですけど、終わった瞬間に「で、何がしたいの?何言ってるか全然わからん」っていうことを率直におっしゃっていただいたことがあるんです。

今となっては本当にありがたい教えだったと思えるんですけど、言われた瞬間はショックが半端なくて、すごくすごく悔しかったです。

その時に、自分のスタイルだったりやりたいことが頭にあるのにうまく人に伝えることができないことにハードルを感じました。

そうですね。
でも、その経験を機に、自分の思ってることが当たり前じゃないっていう考えに変わってきたかなと思います。

でも、動物の事業じゃなかったらもしかしたら折れていたかもしれません。

そうですね。
殺処分に関しては小学校4年生の時から解決したいと思っていて、そのきっかけが当時見ていたサイトなんです。

そのサイトには今日や明日に殺処分されてしまう子が出てくるんです。「里親探してます」と書いてあるのに、全然里親が見つかってない子とかを見て、親に「なんでこの子引き取れないの?」みたいなことをずっと言っていたのですが、当然飼えるわけもなかったので、その時に自分の非力さというか、何もできないことがちょっと悔しくって。

で、それからもう10年が経っちゃって、スタートが遅くなってしまったと思っているし、今日も明日も殺処分は起きてしまうので諦められないなと思います。

やっぱり命が関わってるので、足を止めた瞬間もうダメダメだというくらいの気持ちでやっています。

今後の事業の展望とは?

ライフラインを整えて、ワンちゃんと人がもっと暮らしやすくなるために社会的な概念を変えていくための事業をやっていこうと思ってます。

なので、今はペットの食に関することをしていますが、ゆくゆくはホールディングスにして、不動産だったり衣食住に関する色々な事業をやっていきたいと思います。

そのためにはまとまったお金が必要になるんですよね…

でも、これを話した時に、一緒にやってくれてる人は「やりましょう!」って言ってくれる人なので、 心強いなと思いながら日々活動しています。

最後に読者にアドバイス

わかりました。学生の方や同世代の方に対して伝えたいのは、好きなことで経験を積んで結果を出してほしいということです!

今まで授業を受けてきただけだったら、行動して結果を出すという経験がないから自己肯定感が低いのが悪いことじゃないと思ってて、むしろ行動して結果を出すという経験がないから自信がないのは仕方ないと思います。

でも、自分の好きなことだったりで経験を積んで結果を出すことは本当に自信に繋がると思うので、今の自分が色々知らないからとか、知識がないとかは思わなくていいし、偉人も最初はなんでもない人だったんだから軽く考えて好きなことだったり、本当に自分のやりたいことに対してこうやってほしいなと思います。

私、4姉妹なんですけど1番勉強できないんですよ。

親戚にもJAXAにいる方、警視庁の方、獣医さん、北海道大学の教授、あとは経営者の方もいたりと、本当に尊敬する方ばっかりやったので、勉強ができない自分に対してすごく劣等感があったんです。

高校3年生まで獣医学部を目指していたのですが、数学が苦手すぎて…

獣医学部に入るために「数学わからん!」みたいなことをずっと悩みながら、できる努力はしたけど、結局成績は伸びなくて。

殺処分の問題は解決したいけど、浪人をしても獣医学部に行ける確信がなかったので、殺処分の違う解決方法を探そうと思って今の大学へ来ました。

大学に入るまではずっと自己肯定感が低かったのですが、それでも自分の好きなことに対しては自信を持ってできました。

この自分の好きなことは多分誰にでもあるものなのかなと思うので、とりあえず好きなことに対してだったら動けると思うからこそ、身近な友達に「これってどう思う?」と聞くだけでもいいし、なんでもいいから1歩目を踏み出せば絶対次に繋がると思うので、早く動いてほしいなと思います!

あとは最後まで諦めないでほしいです。

私はこの1年、 死ぬほどいろんな人に「無理」って言われてきました。
「起業するなんて経験ないから無理じゃん」とか「お金ないから無理じゃん」とか。

お母さんとかお父さんにも無理って言われたし、今もそう思ってるかもしれないんですけど(笑)

でも、無理って言われても最後まで続けた人が結果を出せるということを、将来起業していきたい人たちに伝えたいなと思います。


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この記事を書いた人

吉原のアバター 吉原 Bizdev Journal編集長

「起業家を支える最強のNo.2」になるべく、同世代の起業家の成長が加速するような活動をしています。
過去にもいろいろやっているので、気になる方は各種SNSから連絡ください。

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