【起業して良い製品を作るための大原則】顧客を顧客以上に知るためにやるべきこととは?
こんにちは、Bizdev Journal編集部です。
起業をするからには、皆さんは顧客に喜ばれる良い製品を作りたいと考えているはずです。
そこで今回は
顧客を顧客以上に知るためにやるべきこととは?
をテーマに、良い製品が生まれるまでのプロセスを伝えていければと思います。
なぜ顧客を顧客以上に知る必要があるのか?
なぜ顧客を顧客以上に知る必要があるのか?
それは顧客を顧客以上に知っている状態を作れれば、自ずといい製品が作れるからです。
大抵の顧客は「何が欲しいかはわからないけど、どこかしらに不満がある」という状態です。
この「何が欲しいかわからない」顧客に「あなたが欲しいのはこれでしょ?」というような形で製品を作って、その顧客の不満を解消した時に、あなたは顧客を顧客以上に知っている状態になれたと言えます。
顧客を顧客以上に知るために何をすればいいのか
先ほども述べた通り、大抵の顧客は「何が欲しいかはわからないけど、どこかしらに不満がある」という状態です。
この顧客の必要としている優れた商品を作るためには、顧客への優れた洞察が必要です。
そして、その洞察を始めるために最初にするべきことは、顧客に関する事実を集めることです。
ビジネス、特にスタートアップでは優れた製品を作ることが成功のカギとなります。
そのような製品を作るにはユニークな洞察を元に差別化をする必要があります。
ユニークな洞察は推論や思考によって導き出されます。
この推論をするために必要なのが事実です。
このように優れた製品を作ることをゴールに置いた際に、そこにたどり着くまでのルートを引くと、事実がすべての起点となっていることがわかります。
そして、この事実の収集で差をつけられれば周りに比べて圧倒的な結果を残すことができます。
事実収集の方法とは?
事実収集の方法には議題の理解と解決策の提供の2つがあります。
また、その両者を深めるためにいくつかの段階があります。
今回はその中でも
①顧客インタビュー
②没入
③同化
④コンサル
を紹介します。
事実収集の方法①:顧客インタビュー
自分がカスタマーマニアだと言えないのなら顧客インタビューから始めましょう。
なぜ顧客インタビューから始めた方がいいかというと、
顧客インタビューは、最もコスパがよく、様々なタイミングで有効だからです!
まずコスパの面から説明しますが、顧客インタビューはアンケートに比べてずっと濃い情報が30分程度で集められます。
では、なぜ事業立ち上げの段階でアンケートはダメなのか?
それは以下の2つの理由で知りたい事実はアンケートでは集まらないことが多いためです。
1.正しい質問ができない
事業を立ち上げる段階だと、ほとんどの場合で聞くべき質問すらわかっていない状態です。そのためアンケートを取っても適切なアンケートを実施できず、結果として適切な事実は集まりません。
2.対象ユーザーが少ない
事業の立ち上げの際、ほとんどはニッチなニーズに刺しにいくため対象となる顧客が少ないです。そのため広くアンケートを取っても参考にならないデータしか集まりません。
顧客インタビューの基本
顧客インタビューの基本は「目的を決めてから行うこと」と「聞く8割、話す2割で望むこと」です。
目的を決めてから行う
顧客インタビューの目的は「仮説の探索or検証」と「課題or解決策」の2軸を用いて、以下の4つの項目に分けられます。
多くの場合は、課題仮説のインタビューを行うことが重要になります。
聞く8割、話す2割で望む
インタビューの基本の姿勢は聞くことです。
顧客インタビューはあなたのアイデアのピッチではありません。多くの顧客は優しいので、ただアイデアのピッチをしてしまうと「良さそうですね!」という当たり障りのない回答がされて事実認識を狂わせてしまいます。
なので自分のアイデアを話した上で顧客がどう思っているかの事実を聴きとるようにしましょう。
ここで注意しなければならないのが、顧客の意見ではなく事実を聞くことです。
「〜〜だと思う」というような意見は参考程度に聞き、「〜〜をしたことがある」といった事実をちゃんと集めるようにしましょう。
事実を集めるために半構造化されたインタビューを行う
顧客インタビューをする際に集めるべきは事実です。
しかし、インタビューに慣れていないうちは多くの情報を引き出せないことがあります。
その際に使えるのが半構造化されたインタビューです。
特に「Mom Test」と「リーン顧客開発」で紹介されている半構造化されたインタビューは使えるので、顧客インタビューに慣れていないうちはぜひ活用してみてください。
Mom Testをベースにした顧客インタビューのテンプレート
①あなたがそれを解決しようとしていることに関する、一番の難題は何ですか?
②その問題に最後に直面した時にことを教えてください
③それが困難だった理由は何ですか?
④その問題を解決しようと思って、したことがあれば教えてください
⑤これまで試したソリューションの中で、気に入らなかった点は何ですか?
Mom Testの詳しい内容に関しては他の方がレビューを書いているので、気になる方は下記のリンクから飛んでみてください。
https://note.com/ryusuke_ray/n/n6e37d5849060
リーン顧客開発をベースにした顧客インタビューのテンプレート
①今現在は〇〇(かだ、行動、仕事)をどうやって行なっていますか?
②あなたが最後に〇〇に直面したタイミングと状況を教えてください
③〇〇を解決するためにしたことがあれば教えてください
④これまで試したソリューションの中で、気に入らなかった点は何ですか?
⑤もしドラえもんがここにいて、ひみつ道具で何でもできるとしたら、その〇〇に対してどんなことをしてほしいですか?
⑥他に私が知っておくべきことはありますか?
リーン顧客開発の詳しい内容に関しては他の方がレビューを書いているので、気になる方は下記のリンクから飛んでみてください。
そして上記のテンプレートの質問だけでなく余裕ができたら、以下の点に気をつけながら追加質問をしましょう。
事実収集の方法②:没入
上記の顧客インタビュー以上に濃い情報を集めるために行うのが没入です。
この顧客への没入をするためには「現場、現物、現実」の3つがキーワードになります。
顧客の課題は必ず顧客のいる現場で起きます。
そのため、この没入の段階で現場に行き、顧客が何をしているのかを目で見て理解する必要があります。
仮に現場にユーザーが100人いた場合、そこには1つの体験が100個あることになります。
その1つ1つを没入して見ていくことで濃い情報が手に入り、他の企業との差別化要素を生むきっかけになります。
以下では没入のための技法をいくつか挙げていきます。
①観察
自社の製品を観察したり、その中で課題が怒るシーンを観察する。
また、自身も顧客として参加する参与観察という方法もある。
②競合テスト
競合の製品を使ってもらう様子を見ながら、その改善点などを把握する。
③シャドーイング
顧客の行動をビデオ、写真、スケッチ、詳細なメモなどを用いて後ろから観察する。
シャドーイング中は自然な形で行動してもらい、記録が終わった後に質問をする。
④文脈的調査
現場に身を置いて観察をしながらインタビューをする。インタビューする相手が「師匠」、自分が「弟子」の関係になるようなイメージ。
⑤n=1分析
「たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客視点マーケティング(被リンク入れる)」で提唱される一連の手法。一人の顧客の深掘りを行うこと。
事実収集の方法③:同化
顧客インタビューや没入よりもさらに濃い情報を手に入れるために、この同化では自分が顧客化します。
そのようにして顧客のペインを自分で体験し、顧客が必要としているものの解像度を高めていきます。
実際に起業をしている人でも「現場で働く」という泥臭い経験をあえてしている方は多いです。
この時にただ単に顧客の立場を体験をするのではなく、体験しつつも外部からの視点を持って新たな問いや新たな仮説を見つけることが大切です。
問いや仮説を現場で発見するには以下の3点に気をつけると良いでしょう。
①細部に気づく
最初は大まかな理解しかできないかもしれないですが、細部を理解しようという姿勢を崩さないことが大切です。細部にこそ課題の理解のためのヒントが転がっており、他の企業との差別化を測れる可能性が眠っています。
②文脈を知る
何かの現象が発生する時には、何かしらのきっかけがあります。その現象がどのようにして起こったのかという文脈をきちんと把握するようにしましょう。
③概念化する
いい言葉を知っていることで、現象をフレーミングして理解することができます。
同化をする前に保管業界のレンズや解決策を持っておくことで、意外なところで効率化を測ることができると気づける可能性があります。
事実収集の方法④:コンサル
今までの方法は「議題の理解」に重点を置いていたのに対し、コンサルでは「解決策の提供」を重視します。
顧客の課題を顧客以上に知るには、その課題に対する深い理解と広い解決策を知る必要があります。
そのためには顧客よりも知識を持つことが必須条件です。
あなたの顧客よりも、その業界について詳しい知識が1つでもありますか?
この問いに対してNoと回答するような状態であれば本を読んだりニュースを見たりして、1つでも顧客より知っている状態を作りましょう。
かかるコストはせいぜい数万円のお金と1ヶ月程度の時間だけなのでやらない手はありません。
このようにして顧客の課題を解決して感謝されるようになれば、勝手に顧客を顧客以上に知っている状態に近づいていきます。
まとめ
いい製品を作るためには洞察が必要であり、その洞察を得るためには顧客の事実を集めることが必要です。
この事実をたくさん集め、目の前の一人の顧客をよく知ることでその人に対して価値を与えられる立派な起業家になれます。
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